なぜ雪の石鎚山に登る気になったのか自分でも定かでないが百名山としては安近短で以前積雪の石鎚山に登った経験があるので♪ルンルン気分で企画した・・・が前経験は当てにならないという山の原則にぴったりはまるような今回の登山。明日ある未来を夢見る?ヘッポコ登山隊はほうほうのていで下山したのであった。賢者はこの企画を陰で笑ってたのかもしれない。

ルートは 石鎚ロープウェイ→石鎚成就社白石旅館泊→石鎚山未踏→石鎚成就社→石鎚ロープウェイ。有名なコースなので地図とタイムは割愛させていただきます。

 

西ノ川の山麓下谷駅から往復1900円の切符を買ってロープウェイに乗り山頂成就駅に到着。いつものようにこの山頂駅より眺める瓶ヶ森は絶景だ。下山してきた大勢のスキー客の中に石鎚山登山の人もいる。二人連れに聞いてみる。「頂上直下はほぼ氷壁で今日滑落した人がいましたよ。この後下りてきますよ」 聞かなきゃ良かった!その後よせばいいのにその滑落の若者にもレポ「下降中アイゼンを踏みぬき15メートル滑落しておりよく通過中の人にピッケルを垂らしてもらい助かりました」話を聞いて心もその日の気温の零下に下がったような・・・(T_T)


雪の瓶ヶ森を眺めながら滑落の話に気持ちひきづられながら登り20分少々て゛成就社にたどりつく。雪の石鎚山が顔をのぞけ今夜の宿「常住屋白石旅館」が見える。


石鎚神社の積雪はだいぶ溶けてる模様。少し以前迄は雪の回廊状態だったようだ。


神社の一角より神殿越しに石鎚山が見える。普段はしないが明日の心細さのあまりお賽銭もちゃんと入れて柏手を打って拝む・・。


いざ出陣。昨夜はほとんど宿泊貸切の白石旅館にて猪?鍋をたらふく頂き飲めば官軍でいけいけムードであったが朝になり冷静沈着に戻り「即 撤退ね」「即 撤退ね」と念仏のように唱え出発 宿泊の白石旅館は料理おいしかったですし対応も良く 宿泊お勧めですよ。


すぐに神社の鳥居があり雪山装備を確認する。


前社森の売店・休憩所に到着。当然安全第一のヘッポコ登山隊は試し鎖は通過せず慎重に巻き道へ・・しかし巻き道も切れ落ちて這いあがれないような急斜面に薄くトラパース痕跡ついたような道だった。


夜明峠手前。隊員は突き進む 心の動揺を隠して。ワクワク ビクビク ブルブル。心とは裏腹に天気は最高。


夜明前峠より頂上をズーム。雪と氷でコテコテの山頂と「ここを登るらしい」の個所に米粒大の人がへばりついていた。あれはもう斜面とは言わないと思う。あそこを登るのか? 隊員のお言葉→「無理じゃろ」「わしゃあ ええ」「もう帰ろうよ」注・米粒人は撮影者の怠慢により写真には写っておりません。


夜明前峠にて。他のハイカー・・いやクライマーと談話。岩を直登するらしい。この季節にこんなとこ来られる方はギアもウェアもわれわれハイカーとは違う。それより違うのは技術と知識だろうけど。本来ならばわれわれヘッポコ隊員はひれふさなければならないような方だろう。


勇気を出して突き進む。怖くない怖くないぞ


見よ! 行け行けヘッポコ隊の雄姿後姿。 この後 正体現すかも。


振り返れば新居浜の街と瓶ヶ森


だいぶ近づきました。二の鎖小屋と鳥居とトラバース道が見えます。


左手前の頂きが鶴ノ子ノ頭 空にそびえている左鋭峰が岩黒山 真ん中のなだらかなのが手箱山 右の頂きが筒上山 と思う(笑)


とうとうやって来ました、二の鎖鳥居です。少し前まで積雪でこの鳥居は雪に埋もり人が腰かけられたそうです。そばにいた登山者が言うに腰かけた人は下山後交通事故に合い入院生活してるそうです。この話については追跡未確認。


いよいよ本番ですが気持ちを落ち着ける為景色を眺める。この時点ですでに「わしゃ 下りとくけえ」の隊員あり。


カミソリのような薄いトラパースをわたり無雪期の階段に着きます。階段は直前情報通り雪に埋まっておりました。


えっちらおっちら右下断崖の道を行きます。何度も言いますが天気はいいんですがねえ。隊員一名が手摺りをピッケルで掘り出しているところです。


あまりのスリルに写真撮ってる余裕もなく階段終点につき次の雪斜面を見上げます。・・・・や~めた。 この辺がヘッポコ隊の限界でした。撤退へ。


ヘッポコ隊の中では異例の雄姿。ここまでストックと6本歯アイゼンで登ってきました!


また来た道を戻ります。左下に落ちればちょっとまずいです。


「わしスイス行かんといけんけえ」「わし失業保険まだもろうとらん」「飲み屋にボトル残しとるけえ」「畑の霜が気にかかる」と各隊員深い思慮にふけながら「今日のところはこれで許してやろう」と下山。


年に30回ここに登ると言うすごい夫婦と出会う。ほとんど毎週登ってるということか。ロープウェイ代だけでもすごい。


登れなくとも一向に気にしない愉快な仲間達